研究課題 Research Project
哺乳類媒植物の送粉様式
Pollination Ecology of Mammal-Pollinated Plants
多くの植物はハチやガなどの昆虫に花粉を運搬してもらうことで、送粉を成功させています。しかし、世の中には変わった植物もいて、体が大きな哺乳類に花粉を運搬してもらっている植物もいます。私は、哺乳類媒植物についての研究事例が少なかったアジア域において、マメ科トビカズラ属を対象として送粉様式を解明しています。
これまでに、九州、沖縄、台湾、香港、タイなど国内外で野外調査を中心に研究を展開しています。
Mucuna spp.
琉球諸島における動物の生態と保全
Animal Ecology and Conservation in the Ryukyu Archipelago
琉球諸島はその亜熱帯島嶼気候であることや地質学的な背景により、島ごとに特有の生物相を形成している、生物多様性の高い地域です。それらの生物の中にはこれまでに知られていない生態をもつ動物がまだまだたくさんいます。これらの動物たちの生きざまを生態学的視点から暴いていきたいと思っています。
一方で、琉球諸島には西表島を除き在来食肉目は分布していませんでした。しかし、人為的な持ち込みにより多くの島で外来食肉目が定着しています。これらは、捕食者となる食肉目がいなかった島で進化してきた動物たちにとって大きな脅威です。また、小島嶼で独自に発達した生態系では、その要となる生物がどのような機能をもつかを明らかにする必要もあります。私は、多方面の方々と協力しながら、このような課題における、基礎データの蓄積を行ってきています。
<主なトピック>
・ツダナナフシの分散戦略および防御戦略
・ヤンバルクイナの基礎生態(食性、繁殖行動等)
・ケナガネズミの基礎生態(食性、齢推定、樹洞利用様式、繁殖行動等)
・林齢の違いが樹洞を利用する動物に及ぼす影響
・沖縄島北部における外来食肉目の希少種捕食の実態
・大東諸島における優占種ビロウの役割と保全
やんばるに沈む夕日
Pollination & Animal Ecology